源氏物語の部屋4
御法(みのり)
紫の上(むらさきのうえ) といわれていますが、
実際には源氏をとりまく女性の中で、
彼女はいちばん不幸でした。
男にはとことんつくすタイプなので、
男性の読者にたいへん人気があります。
でも、 源氏物語ではそんな女性が
いちばんふしあわせに描かれています。
もちろん源氏は紫の上を寵愛しましたが、
それは彼が昔、愛していた藤壷の君……
光源氏の母、桐壺の更衣と瓜二つといわれた
藤壷の君と紫の上がそっくりだったからなのです。
(血縁でしたから不思議はありませんが)。
かわいそうな紫の上。
それでも、源氏は彼女を深く愛しており、
紫の上に先立たれると、その後はぬけがらになってしまいます。
実は源氏物語って、
主要な登場人物はみんな不幸なんですよ。
閑話休題
女子高生の間では「恋愛がかなわない」といって、
財布に入れないそうです。
なんでも、それは紫の上が
いつまでたっても"光源氏"のNo.2だからなんだって。
よくわからないけどさ。
光源氏も紫の上も世を去ったあとの
宇治十帖「鈴虫」の巻。
でも、女子高生にとっては何だっていいんだよね。
「源氏物語」は世に浸透しつつあるということでしょうか。
そんなに、わるい話でもありませんね。
澪標(みおつくし)
前ページの「須磨・明石図」のつづきになります。
源氏が追われたあと、京都の宮中では
天皇が眼病に煩わされたり、天変地異が起こったりと、
異変が次々と起こります。
そんなわけで、光源氏は晴れて京都に呼び戻されることになりました。
その華々しい行進の場面です
胡蝶
貴族というのは、ある意味で遊びのプロフェッショナルです。
「梅枝(うめがえ)」の聞香(もんこう)などでもそうですが、
それは磨き上げた感覚を競いあうゲームと言えましょう。
このような貴族のお遊びの話に魅力があるのは、
アートの本質が遊びを真剣にすることにあるからでしょう。
こう言うと怒る人もいますが、
政治やイデオロギ−主体のアートは
意外に浅薄でつまらなかったりしますからね。
悲劇に突入する「若菜」以降の巻です。
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「源氏物語の部屋」は5部屋あります
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