シエスタおじさん
(本文から2)
風車を建てれば風の通り道と、風の力を知ることができる。
重力は見ることはできないが、
リンゴが落ちるのを見れば、その存在を知ることができる。
磁力を見ることはできないが、
羅針盤が動くのを見れば、磁力があることがわかるだろ?
名前を呼んであげれば、何でもいうことを聞くはずだ。
それから、これは二週間分の乾燥パンだ。大切に食べるんだよ」
「ありがとうパドーレ」
「さあ、行きなさい。アチャール。
シエスタおじさんを見失わないように歩いていきなさい。
きっとあなたにも神さまのご加護があるだろう」
ここじゃあ流れが激しすぎるし、川幅も大きい。
ぼくもきみも小さいから、今はここを渡ることは無理だよね。
だから上流にむかって歩いてくれないか?」
何だかそれは海の中を泳いでいるような感じだった。
ウランバーナは肥沃な大地の中にある美しい町だ。
黄金のような城壁に塔が見え、迷路のように入りくんだ市街地……。
力士たちとウランバーナの町を祝福するように、
大仏さまの頭上に浮かんでいた。
「ソーレ! 天下泰平を祈願して」
「鎮まれ大地の悪霊よ!」
「来たれ大地の精霊よ!」
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