「自閉っ子、
こういう風にできてます!」
の部屋 1

対談参加者紹介

ニキ・リンコ


藤家寛子

花風社・浅見

(敬称略)

まず最初に、宮沢賢司の「雨ニモマケズ」なんですが・・・・。(本文より)

ニキ

ああ、あれはね、農村の中のただ一人のインテリだった宮沢賢司がね、自分は体が弱いけれども農民のようにたくましくなりたい、って思った詩なんですよ(きっぱり)。きっと賢治は胃が弱くて、白米とか受けつけなかったんじゃないですか。体が。でも農民は頑強で、雑穀入りのご飯食べて味噌と少しの野菜でばりばり働けたんじゃないでしょうか。だからそういう体がうらやましいな、と思ったんでしょうね(再びきっぱり)。

浅見

そうですか。学校で習ったときはね、そういう解釈ではなかったみたいですね。まあ正直私自身、よくわからなかったんですが、藤家さんは学校であの詩を習った時はどう思いました?

藤家

雨は痛いんだけど負けちゃいけないんだ、って思いました。彼はその時点で雨に負けていたんだろうな、とも。だから「そういう人」になりたかったから書いたのかな、と思いました。

浅見

雨が痛い?

藤家

雨は痛いじゃないですか。当たると、傘さしていても、はみ出た部分に雨が当たると一つの毛穴に針が何本も刺さるように痛くありません?

浅見

痛くありません。

ニキ

痛くない。

浅見

定型発達の人間にとって雨は痛いものではないと思います。たしかに傘からはみ出たところで雨に濡れると不快だったりしますが、決して「痛い」ものではありません。ニキさんは自閉スペクトラムですが、でもやはり雨は痛くないのですね。一口に「五感に問題を抱えている」と言っても人それぞれだということですね。でも雨が痛いとすると、シャワーも痛いのですか?

藤家

痛いです。だからできるだけかぶり湯にします。

浅見

じゃあ、水がだめなんですか? プールは好きでしたか? 学校で。

藤家

水に入るのは好きでした。でも、その前に浴びるシャワーと「腰洗い」がこわかったです。

浅見

「腰洗い」って消毒液が入っているところですよね。プールに入る前に、そこをみんなちゃぷちゃぷ歩かなきゃいけないんですよね?

藤家

そうです。消毒液のにおいがきつくてこわかったです。それで泣きました。するとまた、「なんで泣いているの?」って顔されるんですが、みんなはくさくはなかったんでしょうか?

浅見

たぶん泣くほどはくさく感じないんだと思います。定型発達の子は。「あ、消毒液のにおいだな」っていうくらい。

藤家

私にとっては、キッチンハイターの原液におかされるような感覚でした。恐怖でした。

(続きは本を買って読みましょう)

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